素敵なひととき

無料占い内容の要約

意地っ張りな女のところに彼が帰りたいと思うはずがない、だからこそ「なにもかもを完璧にしよう」なんて大それた考えは持たないこと。 中途半端な完璧だったら、最初から目指さないほうがいい。
自分の胸に手をあて、「したい」と思えばする。 気持ちに素直になると、いろいろなことがうまく回りだす。
それは二人の関係だって例外ではない。

いい女、ときどきダメ女ふだんの私は自分を抑制していることが多い。 明日の保証がないフリーランスは、編集者の機嫌をちょっとでも損ねたら最後だ。 だから多少不条理なことがあっても、感情をぐっとこらえてしまう。
どうしてもがまんならない時は反論するが、そんなことは数える程度。 だからこそストレスが膨大に蓄積する。

その反動が一気に出るのが、気のおけない仲間との飲み会。 プチッと糸が切れ、正体をなくしてしまうのである。
しかも皆と別れたとたんに。 真冬に玄関の靴脱ぎ場(どうやって帰ってきたかも不明)で丸まって寝ていたり、転んで顔中血だらけにしたり、足の靭帯を伸ばし松葉杖生活をしたこともある。
 友だちはそんな私の酒癖を熟知しているので、宴が終了間近になると彼の携帯に電話をかける。 そのたびに彼は、泥酔した私の介抱に追われるのだ。
寝ているのならともかく、子どものように駄々をこねたり、ご近所迷惑かえりみずへたな歌を大声で歌ったりすることもあるらしい。 またひとりで帰ってきたかと思えば、真夜中熟睡している彼の上にダイビングしたり、ネコをさかさまにダッコするなど、目にあまる大トラぶりを披露するようだ(推測用語ばかりでスイマセン。なにしろ記憶がなくて……)。

 朝起きて、強烈な吐き気を抑えつつ、とぼしい記憶をたどってみる。 だがなんの記憶もない。
なにをしでかしたか不安になり、早朝彼をたたき起こす。 彼は面倒くさそうに「大丈夫、なんにもしてないから寝なさい」といい、二度寝。
それをきき、私は安心して深い眠りにつくのがいつものパターンである。

「ふつうならとっくに離婚だよ」 友だちは口をそろえてそういう。 私は思わず黙りこくる。 だが彼はこんな酒癖の悪い私を一度も非難したことがない。
それどころか「今度はなにをするのか楽しみ」だと笑う。 彼がいうには、「ちょっとくらい手間がかかるほうが、人間らしくていい」らしい。
まあ私の場合は、はるかに「ちょっと」を超越していると思うのだが……。 懐が深いというか、変わっているというか、まあありがたい、彼の前でつねにカッコいい女を演じるのって、最初のうちはいいけど、長くつづけていると息切れする。

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